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「甚之助谷地すべり対策事業」 事業の概要 甚之助谷地すべりの地すべりブロック(土塊)は7つあり、土塊量を合計すると約6,000万立方メートルと手取川ダム本体の体積1,005万立方メートルの6倍になります。 万才谷排水トンネル 甚之助谷地すべりの地すべりブロックは融雪時期に活発に移動しています。これは、地下水位により安定が損なわれるためです。 万才谷排水トンネルは、万才谷で地下への浸透を減らして地下水位の上昇を抑え、左岸大規模地すべり及び左岸地すべりブロックの移動を抑制します。 万才谷トンネルの諸元 排水施設 トンネル延長 387m、トンネル内径 半径 1.0m 万才谷取水堰 高さ 6.9m、幅 24.5m、長さ 16.7m 万才谷立杭 高さ 27m 赤谷減勢工 長さ 9.5m 万才谷水路工 長さ 574m 仮設備 索道延長 長さ 約1㎞ 索道支柱 2本 索道停留所 2箇所 坑外ステージ 2箇所 モノレール他 1式 |
「白山砂防 100年間続く土砂災害防止への挑戦」 白山砂防の概要 手取川の上流域は、地形・地層・降水量・降雪等から土石流や地すべりなどの土砂移動現象が活発に生じやすい条件を備えています。美濃大地震(1891年)により、さらに土砂流出は増加して下流の手取川扇状地での氾濫も頻発しました。そこで、大正元年(1912年)から石川県により甚之助谷で山腹工が行われ、その後、昭和2年(1927年)より国の直轄事業となり、白山砂防は日本全国の中でも最も早い時期に砂防事業が始まり約100年間続いています。 甚之助谷の砂防施設 甚之助谷の砂防施設は、白山砂防管内でも最初から実施され、砂防施設の施工技術、設計、計画など日本の砂防技術の出発点を見ることができます。 階段状砂防堰堤 堰堤を階段状に配置しています。それまでは、砂防堰堤は土砂移動の影響を受けない岩盤等に乗せていましたが、土砂崩壊の著しい甚之助谷では川底は崩落した土砂で暑く覆われているため岩盤に乗せることができません。そこで、一番下流に岩盤などの洗われにくい地点に最初の堰堤を設置し堰堤に土砂が堆積すると、堆積した土砂の上に新たな堰堤を設置します。これを繰り返すことにより転倒に強い砂防堰堤は階段状に並びます。今では当たり前に見られるようになった階段状堰堤群を日本で最初に計画して実施した施設です。 |
白山を西から撮影した、手取川水系牛首側の最上流の航空写真 |