いこまいけ登山 >
北アルプス >
立山連峰
立山室堂平
立山室堂平(たてやま むろどう だいら、標高 2,450m)は、中部山岳国立公園の北アルプスの立山連峰に位置しています。立山火山の活動により形成された弥陀ヶ原溶岩台地の最上部にある高原です。東には日本百名山の一つである「立山」が聳え、その立山に連なる形で真砂岳と別山があります。南には独特な形の浄土山、西方向は唯一開けており晴れていれば富山平野を眺められます。行政的には富山県中新川郡立山町に属し、住所的?には「富山県中新川郡立山町芦峅寺字ブナ坂外第11国有林内」です。なお地元では単に「室堂」と呼ぶのが一般的です。室堂という言葉は、山岳信仰で使われる言葉であり信仰登山で山へ登った信者が宿泊するお堂(山小屋)を意味しています。このため立山以外でも白山など山岳信仰の対象となった山では現在でも室堂という地名が各地に残されています。
北アルプスの標高 2,450メートルだと普通は簡単にはいけない場所ですが、この立山室堂平は立山黒部アルペンルートで富山県側からも長野県側からも交通機関で簡単にアクセス出来るため、登山者だけでなく一般の観光客も多く訪れ、山岳観光を楽しめます。春(4月中旬~5月)の室堂は一面雪景色で有名な「雪の大谷」があり、夏(7月と8月)は多彩な高山植物に夏山登山、秋(9月から10月)は高山植物の紅葉、初冬(11月)は真っ白な雪景色の立山、といった具合で春から初冬まで季節を問わず室堂を満喫できます。なお冬は立山黒部アルペンルートが冬期運休(12月頭~4月中旬)となるため室堂へ行けません(富山県側の立山駅から室堂まで歩けば行けないことはない)。
立山室堂平は、高山植物が多く、周辺に3000メートル級の稜線があり立山室堂平自体には池や沢や小さな丘など地形も起伏に富んでおり雷鳥の生息に適した環境と言われています。室堂平と周辺の見渡せる稜線には200~300羽程度の雷鳥が生息しているとされ、この数は日本でトップクラスの雷鳥生息地です。5月から7月は雷鳥を観察しやすい季節となり(時間的には早朝から10時くらいに多く見られます)、岩の上でじっと動かず見張りするオス雷鳥、雛を連れた子育て中のメス雷鳥などを見ることが出来ます。なお8月中旬を過ぎると保護色の関係もありなかなか見つけ難くなります。
立山室堂平(写真:2021年8月11日 10時46分撮影)、写真はエンマ台から雷鳥荘への登山道、奥に見える山が立山です。
立山室堂平地図(Map of Tateyama-Murodo-daira, Northern Alps, Japan)
地図サイズ:480ピクセル X 640ピクセル
立山室堂平の見所
みくりが池、
みどりが池、
りんどう池、
血の池、
国の重要文化財「立山室堂」(日本で現存最古の山小屋)、
立山玉殿の湧水(ターミナルを出た場所にある水飲み場、名水百選)、
玉殿岩屋(立山信仰が盛んだった時代に修験者が籠った岩屋)、
エンマ台展望台(地獄谷・立山・大日連山を眺められる場所)、
地獄谷(火山活動の活発化により2012年より立入禁止)、
慰霊碑、
立山自然保護センター(室堂ターミナルに隣接(渡り廊下で繋がっています)、立山の自然や雷鳥・高山植物を解説)、
室堂ターミナル(トロリーバスを見られる、簡易郵便局があるので室堂から手紙出せます、富山名物「立山そば」立ち食いできます、ノースフェイス(THE NORTH FACE)があるので登山用品買えます)、
雪の大谷(立山高原バスのバス道の一部を歩行者に開放、高さ 10メートル以上の雪の壁の中を歩けます)
立山室堂平での散策
- 室堂ターミナル~みくりが池~みくりが池温泉:2時間程度、時間の無い観光客向け、ぶらぶら歩いて往復する、みくりが池で記念写真撮って、みくりが池温泉でブルーベリーのソフトクリーム食べて帰ってくる、時間があるなら標高日本一のみくりが池温泉に入ると気持ちいいです。
- 室堂ターミナル~みくりが池~みくりが池温泉~みどりが池~立山室堂山荘~国指定重要文化財「立山室堂」~室堂ターミナル:みくりが池を一周出来て周辺の山岳景色も堪能できる散策コース、速足で3時間、ゆっくり見て回って半日です。4月~7月までの朝から10時くらいまでの時間帯であれば雷鳥に会える可能性が高いです。
- 室堂ターミナル~みくりが池~みくりが池温泉~エンマ台展望台~らいちょう温泉 雷鳥荘:ぶらぶら歩いて室堂随一の景色を堪能出来るコース(往復で3時間~半日)です。ただしエンマ台展望台の先はアップダウンがあるので運動不足の人は酸素が薄いこともありシンドイかもしてません。
- 登山者であれば、室堂ターミナル~みくりが池~みくりが池温泉~エンマ台展望台~らいちょう温泉 雷鳥荘~雷鳥沢ヒュッテ・雷鳥沢キャンプ場:1時間程度
- 母恋坂(神の道):立山室堂山荘を過ぎて一ノ越へ向かう登山道から北へ分岐する道、称名川(浄土川)の東を南北に歩く登山道です。昔からあった道らしいですが、途中部分が廃道になり長らく使われていませんでしたが、2011年以降地獄谷の火山活動が活発となり、既存のエンマ台展望台~らいちょう温泉 雷鳥荘~雷鳥沢ヒュッテ・雷鳥沢キャンプ場の登山道が使えなくなる場合を想定し再整備され通れるようになりました。
立山室堂平の宿泊施設(山小屋とホテルおよびテント場)
みくりが池温泉(日本最高所の温泉として有名な宿)、
立山室堂山荘(立山信仰に由来する伝統を引き継ぐ山小屋)、
らいちょう温泉 雷鳥荘、
雷鳥沢ヒュッテ、
ロッジ立山連峰、
ホテル立山(室堂唯一のホテル)、
雷鳥沢キャンプ場(室堂唯一のテント場)
公共交通機関
立山黒部アルペンルートの立山高原バス / 立山トンネルトロリーバス 室堂駅(室堂ターミナル)
立山室堂平を登山口とする山
立山(雄山・大汝山・富士の折立)、
真砂岳、
別山、
奥大日岳、
大日岳、
剱岳、
浄土山、
龍王岳、
鬼岳、
獅子岳、
五色ヶ原、
鷲岳、
鳶山、
越中沢岳、
スゴノ頭、
間山、
北薬師岳、
薬師岳
室堂からの登山
- 立山登山:室堂ターミナルから雄山まで単純往復、日帰り登山
- 浄土山・龍王岳:日帰り登山
- 立山縦走:立山(雄山・大汝山・富士の折立)~真砂岳~別山~剱御前への縦走(室堂から見える稜線を周回)、健脚なら日帰り登山、前泊か後泊にすれば時間を気にせず落ち着いて歩けます。
- 剱岳登山:前日に室堂を出発し剱沢まで行き山小屋(剣山荘、剱沢小屋)かテント場に泊り、翌日早朝出発して剱岳に登り、その日のうちに室堂へ戻ることが出来ます。雷鳥沢キャンプ場てテント泊して剱岳へピストンも可能ですが時間が掛かります。
- 奥大日岳登山:日帰り登山
- 大日連山縦走:室堂~奥大日岳~中大日岳~大日岳~大日小屋(宿泊)~称名平、室堂前泊を含めて2泊3日、称名平から登り室堂への登山も可能
- 室堂~剱沢~仙人池~池平山:頑張れば池平山手前の池ノ平小屋(テント場あり)まで1日
- 室堂~剱沢~仙人池~阿曽原温泉~水平歩道~欅平(黒部峡谷鉄道の欅平駅):2泊3日~3泊4日
- 室堂から五色ヶ原への往復:1泊2日
- 室堂から薬師岳への縦走:室堂~五色ヶ原~越中沢岳~スゴ乗越~薬師岳~太郎平~折立登山口、3泊4日(健脚であれば2泊3日)、ロングルートが好きな人は薬師岳から更に進み槍ヶ岳を経て上高地へ行く人もいます(有名なトレイルランニングコースです)
- 歩くアルペンルート:室堂から黒部ダムへ登山道を下る(半日)、室堂から弥陀ヶ原へ下る(半日強)、室堂から弥陀ヶ原から八郎坂を下り称名平(頑張って1日)、室堂から弥陀ヶ原から美女平そして八郎坂を下り立山駅(頑張って1日、途中で無理そうならアルペンルートの高原バスや立山ケーブに乗ることが可能)
雪に覆われた立山室堂平(写真:2021年5月24日 11時03分撮影)、富士の折立から真砂岳への稜線からの展望
北アルプスにおける立山室堂平の場所が判る地図
地図サイズ:420ピクセル X 560ピクセル
北アルプス 立山室堂平 地図(Google Map)
ページ先頭(北アルプス:立山室堂平)へもどる。
Copyright © 2020-2024 Ikomaike TOZAN. All Rights Reserved.